一般的なスタッドレスタイヤより2~3割安く買えてしまうオートバックスのプライベートブランドのICE ESPORTE(アイスエスポルテ)。
このタイヤはブリジストンが製造しているという事もあり、思い切って購入してみました。
スタッドレスのゴム素材に発泡ゴムを使用しているということもあって、触った感じで違いがわかるくらい柔らかく、格安ウインタータイヤの中では氷上性能も良い感じです。
もう一つのオートバックスのPBスタッドレスタイヤ「ノーストレックNi3」は耐久性が高い(タイヤが減りにくい)ため乾燥路面中心(たまに雪が降るなど)の使い方に合っているのに対して、こちらは雪道やアイスバーン中心の使い方に合っているという印象です。
今回は、このアイスエスポルテの実際の性能や耐久性について、残り溝の測定やゴムの硬度測定、タイヤ表面のヒビ割れの状態という視点も含めて、詳しくお話していきます。
スタッドレスタイヤの性能について
今回購入したのは、オートバックスで販売されているアイスエスポルテです。
アイスエスポルテの製造メーカーはブリジストンで、それをオートバックスがプライベートブランドとして販売しています。
タイヤ素材にはブリジストンの発泡ゴムを使っているため、素人が触ってもわかるぐらい柔らかいのが特徴です。
>>ブリヂストンだけの独自技術 スタッドレスタイヤの「発泡ゴム」|BRIGESTONE
店員さんに聞いた話だと、雪上、氷上性能は同じオートバックスのPBスタッドレスタイヤ「ノーストレックNi3」よりも良いようです。
ただし、アイスエスポルテにような発泡ゴムを用いた柔らかいタイヤはすり減りやすいため、乾燥路面中心であれば耐久性が高い「ノーストレックNi3」の方がタイヤ持ち良いとのことです。
雪上や氷上中心であれば、発泡ゴムの柔らかい素材を使ったアイスエスポルテを選んだほうが良いのではないかということでした。
実際に装着してみた感想
今回はこのタイヤをハイゼットワゴンに実際に装着して使用しました。
実際に装着して見た感想としては、乾燥やウェット路面に関してロードノイズは大きめで、特に夏タイヤからスタッドレスタイヤに履き替えた瞬間はかなり気になってしまうぐらいです。
ただ、これは他の国産スタッドレスタイヤでも同じなので、それぐらい柔らかいゴム材(発泡ゴム)を使っている証拠でもあると思います。
氷上での制動力を出すということを考えると、このロードノイズが大きい(といっても有名ブランドのスタッドレスタイヤと同じ程度)のは、しょうがないことだと思います。
気になる雪上の性能ですが、体感的には他の国産有名ブランドのものとほとんど変わらないという感じです。
特に、アイスバーン上で、もう一つのオートバックスのPBスタッドレスタイヤ「ノーストレックNi3」は若干制動力に不安があったのですが、こちらの「アイスエスポルテ」は信頼できるレベルで特に不安に感じる要素はありませんでした。
この部分はブリジストンの発泡ゴム素材を使っているということが効いているのだと思います。
このような感じで、アイスエスポルテの装着時の印象はなかなか良いものだということでした。
新品時のタイヤの状態について
ここからは、購入した直後のタイヤの状態(溝深さ、ゴム硬度など)について評価していきたいと思います。
タイヤの溝深さ
まずはじめに、タイヤの溝深さについてです。
ノギスでの溝深さを測定した結果、6~7mm程度でした。
これからこのタイヤを使っていき、どのくらいのペースで溝が減っていくのか確認していくことにします。
タイヤのゴム硬度
アイスエスポルテに採用されている発泡ゴムはタイヤを柔らかく(ゴムの硬度を小さく)保つ事ができる素材となっています。
新品のスタッドレスタイヤの硬度は40~50ぐらいが一般的で、60以上になると交換時期となります。
ちなみに、夏タイヤの新品時の硬度は65~70前後です。
アイスエスポルテの新品時のタイヤ硬度は約40で、スタッドレスタイヤの中でも柔らかい部類のタイヤとなっています。
ゴム材が柔らかいと氷上性能が上がりやすいのですが、逆に耐摩耗性が弱くなってしまうのがデメリットです。
例えば、冬場でも都市の乾燥路面中心で走行距離が多くなるような使い方の場合、タイヤが固くなって使えなくなるよりもタイヤが磨り減ってしまって残り溝がなくなり、タイヤ交換しなければならなくなるというケースが考えられます。
そのような場合、同じオートバックスのプライベートブランドの「ノーストレックNi3」のように、氷上性能は少し劣るものの、少しタイヤは固めのものを選んでおいたほうがタイヤのライフが長くなる可能性も出てきます。
そのあたりのことを考えながら、どちらのタイヤを選んだほうがいいのか検討してみるのもいいのではないかと思います。
購入から3年後のタイヤの状態
購入から3年が経過した状態でタイヤの状態を確認していきます。
タイヤの残り溝深さ
購入から3年後のタイヤの残り溝深さは4~5mmでした。
おおよそ冬場の走行距離は1年あたり5000~7000km程度ですので、溝の減り方としては早くも遅くもないという印象です。
このままのペースで行けば、残り溝に関してはあと1~2年ほどで使えなくなるでしょう。
タイヤ表面の状態
タイヤ表面の状態については、購入から3年が経過したにもかかわらず、細かなものもほとんど見られずきれいな状態でした。
トレッド面についても同様に、細かなひび割れはほとんど見られません。
激安のアジアンタイヤ等の場合、購入2~3年頃からタイヤ表面にシワが寄ってきたり、細かなひび割れが出てきたりするものもありますが、このアイスエスポルテの場合はそういったことはないんだなぁという印象です。
タイヤのゴム硬度
気になるのは装着から3年が経過して、タイヤのゴムがどの程度固くなってきているかということです。
ゴム硬度の測定結果はおおよそ55~60という感じになりました。
新品のときは40~45という数字でしたので、3年間で15ポイントほどゴムが固くなったということになります。
新品時はゴムがぷにぷにしていていかにもスタッドレスタイヤという感じの触り心地でしたが、この3年めの時点ではスタッドレスタイヤと夏タイヤの中間ぐらいの柔らかさという感じです。
タイヤのライフとしては残り溝との兼ね合いもありますが、ゴム硬度の方を優先するとあとワンシーズン使ったらおしまいという感じになりそうです。
冬場の走行距離が5000~10000kmの人であれば、3~4年使えば残り溝やゴム硬度の状態もちょうどよく買い替えのタイミングを迎えることになると思います。
最後に一言
今回は、オートバックスの格安スタッドレスタイヤの性能と耐久性を追跡調査(ICE ESPORTE)についてお話しました。
総評して、アイスエスポルテは値段が安い割に雪上や氷上性能が高く、とてもお買い得なスタッドレスタイヤだと思います。
もっと値段の安いアジアンスタッドレスタイヤもあると思いますが、そういったタイヤはゴム材が硬いため、雪上や氷上中心の使い方ではなく、乾燥路面中心で年間走行距離がかなり多いという人が選ぶものになると思います。
同じオートバックスの「ノーストレックNi3」も比較的耐摩耗性に優れていますので、自分自身がどういう使い方を想定するかということを考えてから購入するのがいいでしょう。
なお、イエローハットで激安で売られているプライベートブランドのスタッドレスタイヤ「ice FRONTAGE」についても、実際に使用してみた感想をのせておきますので、ぜひ参考にしてみてください。
>>イエローハットの格安スタッドレスタイヤの性能と耐久性を追跡調査( ice FRONTAGE )
それでは!