燃費向上やエアコンガス漏れ故障の予防などを目的に施工するカーエアコンの添加剤。
カーエアコンの添加剤の効果はフリクションロスを低減することによる低燃費だと思われがちですが、その他にもカーエアコンの接続部に使われているOリングと呼ばれるゴム製のパーツを保護するための添加剤も配合されていて、カーエアコンの冷媒漏れによる故障を未然に防ぐという効果もあります。
色々と調べてみるとわかりますが、カーエアコンの添加剤はネットなどで3000円程度で販売されていたりするので、気になっている人も多いのではないかと思います。
実際に購入施工してみたいのだけれど、
- どんな道具が必要なのか?
- どうやって施工すればいいのか分からない・・・
という風に感じているのではないでしょうか?
そこで今回は、カーエアコン添加剤として定評のあるワコーズのパワーエアコンプラスの使い方について、ステップごとに詳しく解説していきます。
施工に必要なものについて
まずはじめに、カーエアコンの添加剤を施工するために必要なものについてお話していきます。
カーエアコン添加剤
カーエアコン添加剤はいろんな種類がありますが、今回はこのような小さな缶タイプ(ワコーズ パワーエアコンプラス)を施工することにしました。
ちなみに、市販のカーエアコン添加剤はR-134aというタイプの冷媒対応となっており、その他の冷媒が充填されている車(相当年式の古い車のR12、新しい車に搭載されだしたHFO-1234yf)には施工できません。
自分の車がどの冷媒を使用しているかどうかについては、ボンネットの裏側に貼り付けられているシール(下図)を確認してみると良いでしょう。
このシールにR134a(またはHFC134a)と書かれていればOKです。
チャージングホース
次に準備しなければならないのが、このようなチャージングホースと呼ばれるものです。
今回使ったのは、冷媒充填の際に使用したゲージ付きのチャージングホースで、アマゾンで約2500円で購入したものです。
添加剤を充填する際に、ホースの左側には添加剤の缶をセットし、ホースの左(クイックカプラ)側をカーエアコンに接続します。
ですので、片側には缶がセットできる蝶ネジ付き、もう片側にはクイックカプラが付いているチャージングホースを手に入れてください。(丸い圧力ゲージは付いていないものでもOKです。)
アマゾンなどで「R134a カーエアコン チャージ」などと検索すると見つけられると思いますので手に入れておきましょう。
カーエアコン添加剤の具体的な施工方法
ここからは、カーエアコン添加剤の具体的な施工方法についてお話していきます。
エンジンルームにある低圧チャージポートを見つける
まず始めにやるべきことは、エンジンルームの中にある低圧側のチャージポートを見つけておくことです。
カーエアコンのチャージポートは高圧側(H)と低圧側(L)がありますが、今回の添加剤を入れる時に使うのは低圧側(L)の方です。
チャージポートのキャップは手で反時計回りに回していけば取り外すことが出来ます。
このキャップを外す時点では冷媒が漏れ出してくることはありませんので安心して取り外しておいてください。
チャージングホースに添加剤の缶をセットする
次はチャージングホースの蝶ネジが付いている側に添加剤の缶をセットしていきましょう。
まず、チャージングホースの片方についている蝶ネジを反時計回り(緩める側)に回していき、中についている針が奥に引っ込んでいることを確認してください。
針を奥に引っ込めたら、添加剤の缶を回しながらしっかりとセットしていきましょう。
チャージングホースの蝶ネジは締め込んでしまうと缶の封が開いてしまいますので、チャージングホースをカーエアコンに接続するまでは、蝶ネジが一番緩んだ状態のまま(内部の針が奥に引っ込んだまま)締め込まないようにしてください。
エアコンをONにする
チャージングホースをカーエアコンにセットする前に、エアコンをONにしておきましょう。
エアコンの設定条件は以下の通り。
- エンジン;ON
- ACスイッチ;ON
- 設定温度;最低
- 風量;最大
- 車の窓やドア;全開
このようにエアコンを設定し、カーエアコンのコンプレッサーがしっかり作動する(低圧側のチャージポートの圧力が下がる)状況を作り出しておきます。
このエアコン設定をせずに添加剤を充填してしまうと、車内温度が冷えてしまったりしてエアコン(コンプレッサー)が自動でOFFになってしまうことがあります。
そうなってしまうと、次のSTEP4で行う添加剤の充填作業中にエアコンのコンプレサーがOFFになり、添加剤の缶内部の圧力よりカーエアコンの低圧側ポートの圧力が高くなることがあり、上手く添加剤がカーエアコンの中に入っていかないことがあります。
ポイントはエアコンの負荷を大きくして(設定温度を低めにする、車内環境温度を高くする)、常にエアコンのコンプレッサーが常に動いている状態を作り出しておくことです。
忘れずにやっておいてくださいね。
添加剤を充填する
ここでようやく添加剤を充填するステップに入ります。
まず、チャージングホースのクイックカプラを、カーエアコンの低圧側のカプラに接続していきます。
チャージングホースのクイックカプラを低圧側のカプラに強めに押し付け、カチッと音がすればOKです。
後は添加剤の缶を下に向け(オイルを缶の下側に溜めるイメージ)、チャージングホースの蝶ネジを時計回りに締めこんでいきます。
ある程度蝶ネジを締めこんでいくと「シュー・・・」と音がし始め、添加剤がカーエアコンの中に入り始めます。
その音がしなくなったら添加剤の充填は完了です。
クイックカプラは、こんな感じで先端部分を上に持ち上げると簡単に取り外すことが出来ます。
後は一番最初に取り外したプラキャップを元通り取り付ければおしまいです。
最後に一言
今回は、【自分で出来る】カーエアコン添加剤の具体的な入れ方についてお話しました。
私はカーエアコンの添加剤を燃費向上というよりも、カーエアコンの保護(特にシール部など)のために活用しています。
カーエアコンのシールはゴム製のものが多く、オイルに含まれているそのゴム製のシールを膨らます添加成分が少なくなってくると、徐々に冷媒が漏れ出してしまいます。
このことは、エアコンを常時使っている車よりも、エアコンをほとんど使っていない車のほうが冷媒漏れが起こりやすい(オイルがシール部に回らずゴム製のシールが劣化する)のはよく知られている話です。
秋から冬にエアコンをつけない(ACスイッチをOFF)まま半年ほど経って、初夏にエアコンを付けてみたら冷媒が抜けてしまっていて全然冷えない・・・というのはよくあるパターンです。
エアコンが要らない季節でもたまにACスイッチをONにしてカーエアコン内部のオイルを各部に行き渡らせてあげたり、このような添加剤を入れてあげたりなど、自分でも簡単にカーエアコンをメンテナンスすることができます。
なお、ワコーズのパワーエアコンプラスなどの場合、別途チャージングホースが必要となりますが、エアコンイノベーター(VS-555、INNOVA)というような、チャージングホース不要タイプのカーエアコン添加剤も発売されていますので、自分のDIYスキルに合わせてエアコン添加剤を選んでみるというのもいいかもしれませんね。
是非参考にしてみてくださいね。
それでは!