純正ホイールから社外アルミホイールに交換した後に、高速道路などで80km/h以上出した時、ハンドルのブレが気になったことはありませんか?
特に、高速走行時にブレーキを踏んで制動をかけたり、アクセルを踏んで加速したりした時にハンドルのブレが大きくなるのであれば、タイヤのセンターが出ていないことが原因かもしれません。
今回は、社外アルミホイールでハンドルがブレる原因や、ハブリングという部品を使ってハンドルのブレを改善する方法について詳しくお話していきます。
社外アルミホイールでハンドルがぶれる原因
まずはじめに知っておかなければならないことは、ホイールにセンターホールと呼ばれる凹があって、ホイールを取り付ける車側にセンターハブと呼ばれる凸部があることです。
ホイールのセンターホール
車側のセンターハブ
新車で車を買った時についてくる純正ホイールの場合、このホイールのセンターホールとクルマ側のセンターハブがきっちりとはめ合う(隙間がない状態)になっています。
このため、必ずホイールの中心と車側の回転軸の中心が一致します。
しかし、社外ホイールの場合、汎用性を持たせるためにホイールのセンターホールが車側のセンターハブより大きく設計されている場合が多く、そのまま取り付けるとホイールと車側のセンター軸がズレる場合があります。
このようにセンター軸がズレた場合、一定の速度で走っていたとしてもハンドルのブレを感じるようになります。
ほとんどの場合はナットがテーパーになっているため、ホイールのナットを対角線上に締め付けていく工程でホイールのセンターが修正され、センター軸が大きくずれることはあまりありません。
ただ、この方法だと微小なセンターのズレが必ず発生してしまうことになりるため、タイヤが回転するごとに微小な振動が出てしまいます。
その振動がハンドル周りの部品と共振し、さらにそれがパワステで増幅されハンドルまで伝わってしまうと、ハンドルがブルブルと大きくブレるようになってしまいます。
ハンドルのブレを改善する事が出来るハブリングの機能とは?
ここで紹介した2種類のハンドルのブレを少なくする事が出来るのが「ハブリング」です。
ハブリングをホイールのセンターホールと車側のセンターハブの間に組み込むことによって、社外ホイールを取り付けたときに出来てしまった隙間がなくなります。
これによって、ホイールと車側のセンターが一致しするようになるため、これまで感じていたような高速走行時の不快なブレが大幅に改善されます。
ハブリングの選び方と取り付け方
ここからはハブリングの選び方と取り付け方についてステップ毎にお話していきます。
センターホールとセンターハブの径を測定する
まずはじめにホイールのセンターホールと車側のセンターハブの径を測定していきましょう。
その時に使う道具は、100円均一などで売っているノギスです。
このノギスを使って、ホイールのセンターホールの内径と車側のセンターハブの外径を測定していきましょう。
私の車の場合、ホイールのセンターホールの内径は約66~67mmで、車側のセンターハブの外径は約59~60mmでした。
ちなみに私の車のようにインチ数の小さなホイールの場合、ノギスがホイールの内側に引っかかってしまい、うまくセンターホールの内径を測定できない場合は、ノギスの一部をニッパーなどで切断してしまいましょう。
このようなこともあるので、壊れてしまっても良いような安いプラスチック製のノギスを購入しておくのがポイントです。
ハブリングを購入する
センターホールとセンターハブの径を測定する事ができたら、カー用品専門店に行ってハブリングを購入しましょう。
ハブリングを選ぶ時は先ほど測定したサイズを思い出して、それに合ったハブリングを購入してください。
サイズはハブリングの表面の右上のほうに大きく表示されていますので、そこを見て判断しましょう。
また、ハンドルがブレる場合、その原因の大部分がフロント側であることが多いので、この段階で購入する個数はフロント用の2個(1セット)でOKです。
ハブリングを装着する
ハブリングが手に入ったら、センターハブにハブリングをはめ込んでいきましょう。
その際に注意したいのは、ハブリングの向きです。
ハブリングの内側にテーパーのある方を車体側にして取り付けるようにしましょう。
こうすることによってハブリングをセンターハブの奥側までしっかりと挿入する事が出来ます。
ホイールを装着する
ハブリングの取り付けが終わったら、いつもと同じ手順でホイールを装着していきましょう。
実際にやってみるとわかると思いますが、ハブリングを取り付けた場合はホイールをハブに押し付ける時にしっかりとハマり、ちゃんと車軸とホイールのセンターが合っているのが感じられます。
ハブリングに関するQ&A
ハブリングに関してよく質問される内容をQ&A形式で紹介しておきます。
Q;社外ホイールを装着する場合は、ハブリングは必ず装着しないといけないのでしょうか?
A;いいえ、かならずハブリングを装着しなければならないわけではありません。
例えば、社外ホイールでもセンターホールとセンターハブの隙間がない場合はセンターハブをつける必要がなくなりますので、社外ホイールを購入する場合はホイールのセンターホールも選定基準に入れるとよいでしょう。
また、ハブリングを装着していなくても、ハンドルのブレが出ない場合は、ナットの締め付けでうまくセンターが出ていますので、センターハブを取り付ける必要はないでしょう。
特に、車重が軽く、出力の小さな軽自動車などの場合は、このようなケースが多く見受けられます。
ハブリングを取り付ける必要があるのは、あくまでハンドルのブレなどの異常がある場合と考えておけばよいと思います。
ただ、安全面を重要視する場合はブレる・ブレないの議論をする前からハブリングを装着しておくことをオススメしています。
基本的な車の設計思想としては、ホイールのセンターホールと車側のセンターハブのはめ合いで、回転軸のセンター出しを行いますので、その仕組みがない状態で走行して不具合が起きた場合、責任を負うべきは自分自身になります。
その辺りをしっかりと考えた上で判断してくださいね。
Q;どのようにしてハブリングを取り外せば良いのでしょうか?
A;固着したハブリングを取り外す場合、マイナスドライバーとハンマーを使うと簡単に取り外すことが出来ます。
ただ、そのような取り外し方をするとハブリングが歪んでしまいますので、そのハブリング廃棄してしまいましょうね。
最後に一言
今回は、社外アルミホイールでハンドルがブレる時はハブリングが効果的ということについてお話しました。
社外ホイールに交換した後は、高速道路でハンドルがブレることがよくあります。
そのような場合は、この記事で紹介したように、回転軸のセンターがきちんと出ているかということを意識して車を整備していきましょう。
それでは!