【原因その7】走行中にホイールの内側に雨水が溜まる
ものすごく稀なケースですが、ホイール形状によってはホイールに雨水が溜まってしまい、それがタイヤバランスを崩してしまうこともあります。
まず一つめの原因ですが、フルリバースリムならではの原因!
トップ画は洗車後の様子ですが、ホイールのリムに水が溜まります。
なんとこれが、雨の中を走行中にも同じ状態になります。
この状態でホイールが高速回転することによって、水がリムの内側に遠心力で押しつけられ、リングのようになります。
これが原因となって、ホイールバランスが大きく崩れ、ハンドルブレの原因となっていました。
この水切りフィン(?)を付けることによって、ホイールが回転するとフィンによって水がホイールの内側に飛ばされるようになります。
【原因その8】シミー現象が発生している
足回りの構造強度の割にタイヤが大径のものが取り付けられている車(軽オフロード車など)に多いのが、シミー現象によるハンドルのブレです。
ホイールやタイヤは円形の中央や左右の中央に重心ができるように設計製造されているが、微妙な誤差ができてしまう。
そのままの状態で使うと、回転の中心と重心がズレているため、振動が発生してしまう。
偏心回転というもので、実は携帯電話のバイブレーター機能は、この偏心回転を利用して振動を起こしている。
こうしたホイールバランスの狂いによる偏心回転による振動をシミー現象という。シミー現象は、一般的に高速走行で発生しやすく、特定の速度以上で起こることが多い。
高速走行でハンドルにブレを感じた場合、シミー現象の可能性が高い。
引用)高速走行でハンドルが振動したらシミー現象。|クルマのことならオートバックス
シミー現象が発生すると、タイヤそのものが大きく振動し始めますし、ハンドルにもそのフレが伝わってきます。
最後に、外から見ることがなかなか難しいシミー現象を捉えた動画を掲載しておくので、身に覚えのある方はご覧になってみてはいかがでしょうか?
基本的には、このシミー現象もタイヤバランスをしっかり取ってあげれば、解消することがほとんどです。
ただし、オフロード走行などでホイールそのものに歪みができてしまっている場合はいくらバランス取りをしても直らない事がありますので、ご参考まで。
【原因その9】タイヤとサスペンションが共振している
基本的にハンドルのブレは、タイヤで発生した振動がサスペンションやパワステなどで増幅されて伝わってきたものです。
タイヤバランスを改善すれば、タイヤから発生する振動そのものも小さくなりますが、振動の周波数も変わるため共振が抑えられます。
タイヤを含めたホイールにバランスの崩れがあると、回転したときに振動を発生しますが、崩れが小さい場合は通常余り気になりません。しかし、ステアリング系統などの共振周波数(物にはある特定の振動数で振動が非常に大きくなるポイントあり、これを共振点または共振周波数と呼びます。樹脂製の長めの定規の真ん中を持ち上下に振るとある速さで大きくたわむところがありますが、これが共振周波数です)とホイールの発生する振動の周期が一致すると大きな振動となってハンドルに伝わってきます。タイヤの発生する振動の周期は速度(タイヤの回転数)によって決まりますので、ある速度でのみ大きな振動となって現れることが多いのです。
【原因その10】タイヤに取り付けられているウェイトの数に偏りがある
タイヤやホイール、それらの組み付け方によっては、ものすごい量のカウンターウェイト(鉛)を取り付けないとタイヤバランスが取れないということがあります。
バランス取りのために取り付ける重りの量はなるべく4輪とも均一になるのが好ましく、あまりにも大量のウェイトを取り付けなければならないタイヤが出てきた場合は、タイヤを組み直したりすることも考えましょう。
ホイールもタイヤも同一サイズ・銘柄でも重量誤差があり、組み合わせが悪いと特定のホイール/タイヤへのウェイトが極端に多くなったり少なくなったりしますよ。ウェイトの重さを確認して1輪のみ大きく違っている、などの時にはホイールとタイヤの組み合わせを変えて四輪で均等な質量になるように配分し組み合わせを。
【原因その11】ブレーキのローターに歪みがある
高速走行中のブレーキングの時だけハンドルがぶれる場合は、ブレーキローターに歪みや傷ができてしまっている可能性があります。
当方整備士です。通常走行時に起こる場合はABSではありません。
振動はハンドルのみですか?ペダルにも返ってきませんか?
経験上、このような現象は車種問わずよくある現象です。
原因は、ブレーキディスクの歪み、または偏摩耗、パッドとの当たり面の不良などが考えられます。
対処としては、ディスクローターの研磨または交換+パッドの交換でほぼ100%直ります。
【原因12】タイヤとホイールがずれる
急ブレーキや急発進をした場合に、ホイールとタイヤがズレてしまうことがあります。
その結果、タイヤバランスが崩れて高速走行時に微振動が発生します。
10年前と比べると、タイヤ、ホイールの技術が上がったのでレーシングカーは、殆どリムズレが無くなりました。
一般車も、急ブレーキを踏んでしまった時、ズレる可能性があるのでチェックしてみて下さい。
ホイールとタイヤのリムがズレると、ホイールバランスが狂ってしまい、微振動が出てしまう事がありますので高速道路で、振動が起きていると思われる方はお近くのタイヤ専門店でチェックを!!
詳しく聞いてみると、回転重量バランスが結構狂っているとのこと。これは、大パワー車でホイールとタイヤが馴染む前にパワーを掛けると、ホイールとタイヤが空回りしてしまってズレてしまうんだそう。実はタイヤ交換後の1週間くらいはテープを貼ってモニタリングしていたんですが、、その後にズレたんですね〜きっと。。ホイールバランスを調整し直してもらうことに。
【原因その13】タイヤ内部のカーカス(ワイヤーベルト)切れ
自動車のタイヤの内部には、カーカスやベルトといったような金属ワイヤーがたくさん入っていて、それらがタイヤに加わる力を受け止めています。
何らかの原因で金属ワイヤーが切れてしまった場合、タイヤが異常変形してしまい、それによってハンドルに振動が伝わることがあります。
例えば、上記の写真では摩耗によって細い金属ワイヤーが表面に露出切断してしまっていることがわかります。
写真ではわかりにくいですが、この状態だとワイヤーが切れている部分は膨らんでしまっていて、タイヤの接地面はとてもボコボコしてしまっています。
上記のように摩耗が進んでいなくても、特に値段の安いアジアンタイヤなどは強い衝撃を受けたりするなどして金属ワイヤーが切れてしまうこともあります。
そのような場合のカーカス切れの確認方法は、タイヤを車から取り外し、手でタイヤのトレッド面をグルッと一周なでてでてみてください。
一部だけボコッとしているようなところがあれば、その部分の金属ワイヤーが切れてしまっています。
対処法としてはタイヤを新しいものに交換すれば、ハンドルのブレを解消することができます。
最後に一言
今回は、高速でハンドルが小刻みにぶれる原因についてお話しました。
高速でハンドルがぶれる原因の大部分はタイヤバランスを取ることで解消しますが、お店で何度タイヤバランスをとっても高速領域でハンドルの小刻みなブレが解消しない場合、タイヤの重量バランスが原因ではない可能性も考えられます。
したがって、そのハンドルのブレの原因が何なのか、しっかりとその原因を見極め、それぞれの原因に応じた改善策を施工することが大切です。
是非参考にしてみてくださいね。
それでは!