エンジンがかからなくなるバッテリー上がりの本当の原因を特定する方法

バッテリーの性能(劣化具合、寿命)を判定する方法

それでは、具体的なバッテリー性能を判定する方法についてお話していきます。

【チェック項目その1】電圧

バッテリー性能を見極めるための方法としてよく見かけるのが、バッテリーの電圧を測るという方法です。

でも、バッテリーの電圧と言われても何のことかよくわからないよと感じる人も多いのではないかと思います。

このことはバッテリーの電圧とは、滝に例えるならその滝の高さの事をいいます。

電圧が高いということは、滝が高いのと同じイメージで、勢い良く電気(水)を流すためには、より高いところから流したほうがいいということです。

出典)東椎屋の滝|どらいぶ点景

バッテリーの電圧を測るためには、このようなホームセンターで1000~2000円ぐらいで購入できるテスターという機械が必要となります。

バッテリーの電圧を測るためのテスター

テスターのスイッチをDCV(直流のこと、バッテリーは乾電池などと同じ直流、家庭用のコンセントなどが交流ACVです)にセットし、赤い方をバッテリーのプラス端子に、黒い方をバッテリーのマイナス端子につければ、バッテリーの電圧を測定することができます。

テスターを使ってバッテリーの電圧を測定する

ここで注意したいことは、バッテリーの電圧を測る時は、車のエンジンを始動させている時(セルモーターを回している時)の電圧を測定することが大切です。

というのも、実はバッテリーの電圧は、バッテリーから電気を取り出している時に低くなる性質があり、その電圧が低くなった状態でどれだけの電圧(滝の高さ)を保持しているかどうかがエンジンをかけるためのセルモーターを回せるかどうかの鍵を握っているからです。

バッテリー始動電圧の一般的な判定基準は以下の通りです。

バッテリー始動電圧の良否定基準

3回ほど始動電圧(セルモーターが回っている時の電圧)を測定し、その中で一番小さな値を用いて判定する。

  • 9.6V以上   → 良好
  • 9.0~9.5V → 注意
  • 9.0V以下   → 要交換

例えば、私の車の場合、始動前→始動中→始動後でバッテリーの電圧は以下の様に変化しました。

エンジン始動前(12.44V、イグニッションONの状態)

バッテリー寿命エンジン始動前の電圧

エンジン始動中(9.67V、セルモーターを回している状態)

バッテリー寿命エンジン始動中の電圧

エンジン始動後(13.92V)

バッテリー寿命エンジン始動後の電圧

このような感じで、バッテリーの電圧はどのタイミングで測定するかによって電圧の値が大幅に変わってきますので、バッテリーの寿命を知りたい場合は、エンジン始動中の電圧を測定チェックしてください。

ここで注意してほしいことが一つ。

バッテリー上がり後など、充分にバッテリーに電気が蓄えられていないような状況でこの方法を試さないでください。

というのも、この方法はエンジン始動でバッテリーに負荷をかけた状態でバッテリーの劣化を確認する方法なのですが、このことが原因でまたすぐにバッテリーが上がってしまってエンジンが始動できなくなってしまった・・・ということになっては意味が無いからです。

この方法は日常の点検の時などバッテリーに異常がないときに使う方法であり、一番バッテリーの状態を知りたいバッテリー上がりの直後など、バッテリーが弱っているときには使えない方法だということを知っておきましょう。

なお、ハイブリッド車や電気自動車の補機バッテリーの場合もこのような方法で電圧を測ることができないため、次に紹介するバッテリーのCCA値を測定する方法を参考にしてみるといいと思います。

【チェック項目その2】CCA値

次に紹介するのが、バッテリーのCCA値を測定する方法です。

CCAとはコールドクランキングアンペアの略で、鉛バッテリーが持つ固有の「性能基準値」のことを言い、「-18℃±1℃の温度で放電し、30秒目の電圧が7.2V以上となるように定められた放電電流」と定義されています。

例えば、CCAが480Aのバッテリーとは、「マイナス18℃で480CCAの定電流放電を30秒間行っても、7.2V以上の端子電圧を維持できるバッテリーである」という意味で、このCCA値が大きければ大きいほどバッテリーの性能が高いということになります。

先ほど紹介した電圧が滝でいうところの高さであるならば、CCA値というのは滝の幅のようなものだと考えてもらうといいと思います。

出典)トロント&ナイアガラの滝|H.I.S

いくら滝の高さ(電圧)が高くても、滝の幅が狭かったりしてしまうと滝を流れる水に大きな力はありません(CCA値が小さい)が、ナイアガラの滝のように高さに加えて滝の幅が大きい場合は、その水の流れに大きなエネルギーを感じる(CCA値が大きい)ことができますよね。

基本的に、バッテリーが劣化してくるとこのCCA値が小さくなってくることが知られていて、バッテリーの内部からうまく電気を引き出せなくなってくると思ってもらうといいと思います。

このCCA値を測定するためには、CCAテスターと呼ばれる機械(ネットショップで5000円程度)が必要となってきます。

バッテリーの性能を測定するCCAテスター

実際に私の車のバッテリーのCCA値を測定してみると・・・

CCAテスターでバッテリーのCCA値を測定

写真のような感じで329Aということがわかりました。

このバッテリーの新品時(設計上)のCCA値は480Aなので、本来の約68%しか性能を発揮できない状況にあることが分かります。

基本的に、CCA値は新品時の約70%以下になると交換した方がいいと言われていますので、このバッテリーは交換したほうがいいということになります。

その他のチェック項目

その他によく紹介されているバッテリーのチェック項目は以下の通りです。

  • 使用年数
    →2年以内;良好、2~4年;注意、4年以上;要交換
  • 比重点検
    →1.26以上;良好、1.20~1.25;注意、1.20以下;要交換
  • バッテリー液の量
    →下限~上限(良好)、下限以下(要補充)
  • バッテリー液の色
    →無色透明;良好、濁りや汚れ;要交換

最近のバッテリーはメンテナンスフリーと言われるものが多く、バッテリー液を抜き取ったり、継ぎ足したり、液の状態を確認したりすることができないものが多くなってきているため、上記の方法の中では使用年数ぐらいしかチェックできないのが現実です。

ただし、知っておいてほしいこととしては、先程までに紹介した始動電圧やCCAの値が正常であれば、基本的にはバッテリーを使い続けることができます。

使用年数に関しては、バッテリーの端子が折れたり、ケースにヒビが入ったりなど、物理的な破損のリスクが高くなるというイメージを持っておいてもらうといいでしょう。

バッテリーの性能の低下を引き起こす主な原因はサルフェーションと呼ばれる現象で、この現象が進行するに従って、バッテリーの性能(始動電圧、CCAなど)が低下していき、最終的にはエンジンを始動できなくなってしまいます。

なお、サルフェーション除去機能を搭載したパルス充電器によるCCA値の改善効果については、下記の記事が参考になると思います。

>>【パルス充電器】車のバッテリー性能をDIY再生させる方法

次のページでは、バッテリーが正常なのにも関わらず、バッテリー上がりになってしまう原因についてお話していきます。